お金をもらう

近所に一人暮らしのおばあちゃんが住んでたのね。なんか俺は、そのおばあちゃんにやけに気に入られてしまっていて、休日なんか家にいると、何かと用事を頼まれてた。
掃除してくれ、買い物行ってくれ、とか色々。
で、なんかお金をもらうんだよねー。
まぁ、お駄賃としてお金をもらう分には全然構わないし、良心も痛まないし・笑
お駄賃とかお金をもらうってことじゃなくても、頼まれればやるし。そのくらい。
それに、お手伝いした日は、煮物とか日持ちするの作ってくれてさ、タッパーに入れて、持たせてくれるんだよね。
それ、すごく助かる。本当は、お金をもらうより、こっちがお金払わなきゃいけないんじゃないかって思うけど。
そんな感じで、いいお付き合いしてたんだけどさ、去年の冬にそのおばあちゃん、とうとう亡くなってしまって。
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一応、第一発見者、俺なんだよねー。
週末に顔出したら、すでに死んでてさ。恐らく、その発見する日の前前日には亡くなってたんじゃないかって話。
それで、おばあちゃんの身内の人が来るまでずっと付き添いしてたんだけどさ。
身内の人が色々手配して、葬式もして。
で、その後だよ。
そのおばあちゃん、手書きの遺書で、貯金を俺に残すって書いてたらしいの。
法的には効力のないものらしいんだけど、身内の人が「どうします?」って俺に聞くの。
いや、そっちがどうします?って話でしょ?
だけど、まぁ、身内の人もおばあちゃんの貯金なんか興味なかったんだろうね。
年金の残りの五万六千七百五十二円が通帳に入ってただけだったからね・・・。
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パトロンの作り方